脱いでしまえ、と裸足になる。正に地に着いた足、そんな感覚を得る。小石などが足の裏に食い込み、痛みを実感
。そこに立っている自分の存在を確認した。
シャワーを浴びた後のような、汗でぐっしょりとなったままの裸の上半身、風邪を引いたりしないようにと乾いたタオルで先ずは拭き取り、脱いだシャツを今度は水道水で水洗いだ。靴下も水洗いだ。
序に蛇口の真下に唇を寄せて、堰を切ったかの如く噴射して来る水流を口の中で全部捕らえようとする。口の中から水が流れ落ちるままに任せる。顔面も、頭髪も激しいシャワーを浴びせる
。
歩き疲れて元気のなかった自分は元気の良い水を相手に暫し遊んだ。
腹が減っていたし喉が渇いてもいた。もうこれ以上は飲めないというほどに胃の中を満杯にする。今日一日、何リットルの汗を掻き流したことだろう。水分の補給と"夕食"の積りだ
った。
もう一度、頭を水道の蛇口の下に置き、シャワーを浴びる。冷たいマッサージを受けたようで
気分が良い。蛇口から離れ、暫くはその辺を歩き回って滴が垂れ落ちるのに任せた。そして上半身を拭いたタオルで頭髪も拭いた。
Tシャツ、靴下、そしてタオルと、その辺の木の枝に引っ掻けるように広げた。臨時の洗濯物も明朝には乾いているだろう。
気分が一新した。