やはり日本の夏、暑い!   日本一周ひとり旅↑  いわき(平)[福島県]→ 仙台[宮城県]

    

   第 2日

     19xx年8月7日(月)雨 

         郡山[福島県]→ いわき(平)[福島県]

 

■早朝の雨       

 やけに冷たいものを唇に感じた。ビックリ仰天。跳ね起きた。

何だろう? と、天を仰ぐ。

雨だ。雨ではないか! 

 

雨が、こんな人目を避けた、こんな奥まった所にも降り出して来るの

か? ここに所に僕が潜んでいるとは誰一人として知らない筈なのに、とちょっと不満であった。

 

初めての外、何が起こるか、全く分らない。

 

予想もしていなかったことが起こったので我ながら少々慌ててしまった。

 

この雨、本降りになるのだろうか? 

 

 まだ睡眠不足そのものではあったが、地面に寝転がったまま、しかも雨に濡れながら朝が明けるのをじっと待っていても仕方がない。雨に促されて思い切り起き上がってしまった。早々と身支度をして出発することにした。どうせ寝れるものではない。

 

 午前4時15分、リュックサックを担ぎ、その小学校の裏敷地から出る来る。夜はまだ明けそうもない。軒下の電灯の光が相変わらずやたらと目に眩い。そんな残像を目の奥に感じながら、昨夜の道路へと出て来る。

 

 

 ■早朝のヒッチハイク、成功

国道49号線沿い、どのくらい歩いただろうか、朝もゆっくりと明け始めて来た。それでもまだ早いからか、車も、そして勿論、人なども通っていない。冷ややかな静けさが漂う、そんな国道沿いを一人でとぼとぼと朝の散歩のような気分で歩いていると、後方から重たそうに上り坂を喘ぎながらやって来る車、そのエンジン音が周囲に響き渡る。振向く。

ダンプカー。

 このダンプカーをヒッチしよう、捕らえよう。そう思った。

 ヒッチハイカーの僕とダンプカーの運転手さんと、そこには二人だけ。

 昨日の、午前中と同じような状況が現出、でも今日は昨日よりも、もっと時間的に朝が早い。

 早朝のヒッチハイク。上手く行くものか、どうなのか。

 祈るような、賭けをするような思いでさっと手を挙げた。

 

 

 止まってくれるだろうか? 

 車が近づいて来る。

 止まるか、止まらないか。

 

 止まるだろうか? 

 止まって貰えるだろうか?  

 止まれ、止まれ! 気合が入る。 

 

 止まった!

 早朝だからそんなことはありえないだろう、と思い込んでいたが、

 止まった。

 

 トラックに向かって別に大声を出して叫んだわけではなかった。

 必死な思いが通じたのか、早朝のヒッチハイク、見事に成功。

 この先、いわきを通過して行くと言うので、そのいわきまで乗せて行って貰うことにした。

 道中、そして車中では運転手さんの一方的な話が続いた。自分は2年前にこのダンプカーの仕事に就いた、うちの奥さんは神奈川県の相模湖近くの人だ、とか。また福島県のお祭りのことを話してくれたり、今、走っている国道49号線沿いの左右に展開する景色を話題にしたり、そして下車するときには、住所と電話番号を教えてくれた。

 「今度また福島に来るときは俺に電話しろよ。車で福島を案内してやるから」

福島にまた戻って来たら、そうしようと思った。 

 

 

 ■平に到着

 午前5時40分、いわき(平)に到着だ。

 平(タイラ)に着いてからは、二つのYHに電話予約を入れてみた。二つ目のYHが予約OKだった。松ヶ岡公園の上まで来た時には、もう雨も本格的に、そして断続的に降ったり止んだりだ。

 そう言えば今朝のダンプカーのスピーカーから流れていたラジオ・ニュースでは台風13号が近づいていることを知らせていた。昨晩、あんなにも蒸し暑かったというのも、早朝、コンクリートの上に寝転がっていた、この身の上に、何らの前触れもなく雨が降り出して来たというのも、実はこの台風の影響だったのだろう。

              

 午前10時15分、「YHときわ」に到着。

 宿泊の予約受付は午後4時からということで、荷物のリュックサックを預ける。途端に身が軽くなったような感覚、文字通り肩の荷が下りた。

 ■先ず腹ごしらえ

   さて、午後までの空いた数時間を如何に過ごそうか。

 昨日の朝、恰も清水の舞台から飛び降りるかの如く、長年の惰性的な、習慣的な日常生活の場であった家から飛び出て、全く別の新しい環境へと身を移したのだった。初日でもあったし、突然の環境変化に心身共に興奮気味、また蒸し暑くて一睡も出来なかった。

 とにかく、一夜明けた二日目、今は体全体に重い疲れが残っていて

 

 力が出ない、力が入らない。だから余り動き回りたくもない。どこかでゆっくりと横たわって休養を取りたい。寝不足分を取り返したい。それに、腹も空いている。昨晩は水のガブ飲みだけだった。そして直ぐにコンクリートの上に横になってしまった。今朝だって、出発を急いで名だけの“朝食”さえも取っていない。今、胃の中には殆ど何も入っていない。

 

 先ずは腹をこしらえよう。もうすぐお昼だ。

 雲行きが怪しい空の下、街中、安い食堂を探し回った。初めての土地、何処に何があるのかも分からず結構手間取ってしまった。

 ここにしよう。暖簾をくぐって中に入る。御客は僕が最初のようだ。適当にテーブルを選び、何となく椅子に踏ん反り返るようにして腰掛け、両腕は重たいからテーブルの上に無造作に放り出したまま暫く疲れた風に待つ。

 誰も出て来ない。注文を取りに来ない。  

 「すいません! おばさ〜ん! 何か食べさせてください! 腹が減って死にそうだ」

大声を張り上げる。

 何だか数日振りに本格的な食べ物にあり付けたような感覚であった。

が、疲れがひどく、どんぶりの御飯も喉を通って行かない。疲れていた。全身がだるい。食べる気力にも欠ける。エネルギー補給に難儀を感じる。

 それに、何と蒸し暑いことか!お冷も一口で飲み干してしまった。水のお代わりをする。ぐっと一息で飲み干す。もう一杯、頼む。

 

 首に巻き付けたままだった手拭を取り外し、二回目のお代わりの水で濡らして、そのまま首筋に当てる。頭上に翳して絞る。水が髪を通して垂れ落ちる。湿った手拭で顔面を拭く。

 気を取り直して、また食べ始める。少し口の中に入れて、またちょっと一休み。また思いなおして食べ始める。

 食べ終えた。何だか元気が出て来たようでもあり、そうでもない。元気が回復してくるにはまだ時間が掛るのだろう。

 難儀そうに背後のガラス窓の方に首を回して外の様子を見ると、雨が降っている。食後、これからどうしよう? 当地は通過の地に過ぎない。でも時間潰しに何処かその辺へと行って見ようか?

 食堂を出た。

 雨に降られながらも、平で一番大きいと思われるデパートへと行ってみた。人が多数集まって居る所に久々に顔を出し、客に混じって色々と食べ物の買物をした。喉が未だ渇くのでコーラを買って飲んだり、食後のデザートの積もりで、甘い冷たいアイスクリームを買って食べたりしたが、それでも暑さは凌げない。疲れが抜けない。

 そうだろうと分かっていながらも腕時計を見る。YHでの受付け時間は勿論まだだ。

 

 

 ■デパート踊り場ベンチに長々と

 そのデパートの上の階へと進んで行く途中、薄暗い踊り場の壁際に沿って長椅子が置いてあった。デパート客の人目も憚らずその固い長椅子の上にまだ老境に掛ってもいないのに、どっこいしょと無言で言いながら、腰を降ろすような素振りをして、実は上半身を後方に倒しながら、序でに両足も揃えて長椅子に乗せた。

 これとても時間潰しの一環なのだ。昨晩の野宿では疲れが全然取れなかったので、この長椅子は正に内心探し求めていた格好な、暫しの休養場所であった。

 長椅子の上、仰向け、長々と横たわる。目を閉じたまま色々と考えていた。家から背負って来たリュックの荷物が重過ぎるのだ。あれも必要だし、これも必要だろう、と色々と持って来てしまったが、そんなものが結構な重量を生み出し、両肩に負担が掛かり過ぎていたのだ。分厚く重い自動車用日本地図帳等、また冬物の衣類等を郵便で返送しようと決めた

 

 幅が狭い長椅子、仰向けに寝転がっていても安定度がない。ずり落ちてしまいそうなのを意識して落ちないように頑張っていた。もう無理して頑張る必要もないだろうと、起き上がった。デパートの中、空気の流通も悪いし、居心地も余り宜しくない。

 

 YHでの受付が始まっていた頃には雨も土砂降り。受付を終え、風呂に入ってからは初めて、昨日からの旅の疲れもようやく取れたようで、本来の体調に戻ったようだった。元気を取り戻した

 夕食はカレーライス。 元気に食べてしまった。

 宿泊者は女3人、男6、7人だった。割り当てられた柔らかいベッドの上、背中が喜んだ。落ち着いて、静かに、ゆったりと眠ることが出来た。  

 

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