陸前高田[岩手県]→ 宮古 日本一周ひとり旅↑ 北海道直送 陸奥[青森県]→津軽海峡→大沼公園[北海道]
「第7日」 19xx年8月12日(土)晴れ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 宮古[岩手県]→ 陸奥[青森県]
午前7時半、YHの木村旅館を出た。
国道へと出て、来て見れば道路工事中だ。大型トラックは迂回せよ、とか何とか。日本語で記されてあるのに何故か意味が良く飲み込めず、戸惑った。とにかく前へと歩いて行けば進める。この迂回路やらへと歩いて行った。しかし、またしても道の選択を誤ってしまった
。
この迂回路とやらは山道だった。砂利だらけ、そして埃でもうもう、埃を呼吸しながら進んで行かねばならなかった。前例からの教訓がまだ身を以って学び取られていなかった。
「岩手県水産試験場種苗センター」と書かれた標識を午前8時25分、右にちらっと見ながら歩き続ける。
その迂回路でダンプカーをヒッチして、国道近くまで戻って来ることが出来た。国道に辿り着いてからは道路沿いを歩き続ける。多少の紆余曲折はあったが、4台乗り継いで、久慈(クジ)市内に入る。午前11時のこと。
■昼食抜き
で、ぼくはどうしたか、と言えば、この二人のように首尾良くお弁当を持って来ていたわけでもなかったので、自動的に昼食抜きとならざるを得なかった。二人が昼食に勤しんでいる、その間、
ぼくは為す術を知らず、その辺をぶらつき、暇潰しをして、二人が食事を早く終えるのをただ待っているだけであった。
食事が終った後、あらためて便乗。結局、八戸(ハチノヘ)まで乗せて来て貰った。市内、一緒に来いと言うから、二人が働いているという営業所まで付いて行った。そこで冷たい麦茶を湯飲み茶碗一杯御馳走になり、更にはこの先の道路はどうなっているのかと、ノートのページを一枚引き破り、道順の略図を描いてくれた。
ぼくは御礼を言って、営業所を後にした。
■交通渋滞、歩いた方が早い
「歩いた方が早いよ」
運転手さんにそう言われ、勿論、ぼくも同意。乗せて頂いた御礼を言って、潔く降りてしまった。
同じ道路の脇に沿って歩いていると、車の流れと一緒に歩調を合わしているかのような錯覚に陥りそうだ。実はぼくの歩きの方がよっぽど早い
。数珠繋ぎとなった車の列が脇をゆっくりと動き始めたと思ったら、またゆっくりと止まったりと、そんな繰り返しが続いている。
暫くは車の流れと並行して歩いていたが、渋滞も次第に緩和されて来た。
「今だったら、車に乗って行った方が早いよ」
誰にもそう言われなかったが、腰を曲げれば運転手さんに面と向かって直接頼めそうな位置に止まっていた車に頼んだら、簡単に承諾してくれた。運転手さんも若い頃は北海道をヒッチして一周したそうだ。この車で下北半島の入り口、野辺地(ノヘジ)バイパス手前まで来ることが出来た。
下車すると、やはりヒッチでここまで来れたのだろう、前方にちょうど車から降りる人が眺められた。少々早足でその人に追い着き、一緒に歩きながら話した。下北半島の先端、そこからは津軽海峡を挟んで北海道に一番近い、大間(オオマ)まで今日のうちに行きたい
、と。 「じゃあ、さようなら。御元気で」
彼は一足先に、一刻も無駄には出来ないといった集中振りで、足早にどんどんと突き進んで行った。一方、ぼくの方は別に急ぐこともなし、マイペ
ースで歩いた。50分間歩き続けた。
■YHに泊まる
二人の男の人が乗った乗用車に拾われ、陸奥(ムツ)市まで乗って来れた。街でYHに予約の電話を入れた時にはもう午後6時に近かった。
午後6時15分、YHに着く。受付手続きを直ぐに済ませた後、本日は昼食も取っていなかった
ので空腹を抱えて、食堂へと急行。直ぐに夕食を取る。
風呂に入る。
洗濯をする。
ミーティングはなかった。
割り当てられたベットの上、両腕を頭の後ろに組んで枕にし、暫くそのままじっと静かに息をしていた。黙想しているうちに寝入ってしまった 。 |